会社設立までの備忘録2
- rikugousha
- 8月15日
- 読了時間: 2分
なぜだか、会社を辞める事になった。
もともとの発端は、2024年末に社長から「あと2年で引退する」と言われた事。
となると、その後の僕の選択肢はおおよそ「事業承継」「転職」「独立」の3つしかない。
まずは「事業承継」の線で社長と話し合った。
だが、ネックになったのは、社員が僕しかいないという事。
通常、事業承継やM&Aでは「自走可能か」という条件が重視される。
例えばおせんべい屋さんで、社長が倒れても、熟練の職人さんたちが問題なくバンバンおせんべいを焼き続け、売り子さんがジャンジャン売り続けられる、というような状態。
社長不在でも自律的に回り続けられる組織、という事だ。
うちの会社はそうではない。
(僕が実務の8割方を担当していたのだから、自走可能な組織だった、とは言える。)
僕が会社を承継しても、社員無し、オフィス無し、道具は古い。
自走できる要素が何一つない。
どうしても「これを千数百万出して買い取るメリットは…?」と考えてしまった。
その対策として、僕が社長にしたのが「今から人を育てたい」という提案だった。
2年後「後は好きにやれや」と言われて一人で放り出されるのはキツい。
だから今のうちから新人を育てておきたい。
そう提案したのだが、社長の回答としては「社員である僕が会社の事に口を出すのは僭越でムカッと来る」、「余計な心配しないで自分の仕事に専念しろ」という事であった。
そんな訳で、事業承継の線は、僕の方から無しにさせてもらった。
「転職」は、実は選択肢として思いもしなかった。
なぜかと聞かれると自分でもよく分からないが、僕は高校を出て1年フリーターをし、その後の32年は社長と僕の2人だけの環境、という職歴なので、今から大きな組織に属しても適応出来ない、と思っていたのかもしれない。
そして残った選択肢が「独立」だったという、なんだか消極的な起業なのだ。
それも社長に決断を促されたからだし。
「成功したい!」「金持ちになりたい!」「尊敬されたい!」
という野心もないし。
でも。
自分が「こんな組織で働きたかった」「こんな組織があったらいいな」と思い描く、理想の組織を、もし、自分の手で作る事ができたら…!
そして、もし、その組織を自走可能になるまで育てることができたら…!
それはなかなかに魅力的だし、人生をかける価値がある!!と思う。
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