備忘録1:退職の決定
- rikugousha
- 8月8日
- 読了時間: 2分
更新日:7 日前
会社設立の準備を始めてから現在までの流れを、備忘録として。
6月10日
8時30分、会社へ。
今後の流れについて、社長と話す。
「2年後の社長の引退に備えて、今から技術者を育てたい」と提案するが、社長としては、僕に会社の事に口を出されるのはムカッと来るとの事。
「やりたい事があるなら早く辞めて自分で始めればいい。どうするや」と聞かれる。
いきなり予想もしていなかった「あと2年黙って従い続ける」か「辞めて独立する」かの二択が突き付けられた。
『…この32年間、僕は、一度も給料を上げて欲しいと言わなかった。
(その結果、40歳を過ぎても基本給が300万に満たなかったのだが。)
休日に出られるかと聞かれれば、予定がなければ馬鹿正直に「大丈夫です」と答えてきた。
2年後、社長はめでたく完走、ゴールインかもしれない。
だが、僕はどうなるのだろう。
僕は53歳で無職となるわけだが、それを何度言っても社長は「心配しなくていいから今の仕事に集中しろ」としか言わない。
どういう意味なのかは分からない。分からないが、僕の人生に対して、なぜ社長が心配いらないと断言できるのだろうか?
もし本当に何も考えないままあと2年間付き従って「その日」を迎えた時、僕のこの32年間が報われる何かが待っているのだろうか…?』
そんな事を刹那に考え「続けるリスク」と「独立するリスク」を天秤にかけた。
そして僕は
「…自分でやりたいです」
と答えた。
社長の次の言葉は
「じゃあ、何月で辞めるや」。
またも唐突な質問。
退職も考えてなかったのに退職日なんてそれこそ考えてはいない。
瞬間的に『繁忙期になって仕事を抱えてしまうと引継ぐのが難しそう…ならその前…?』と考え、
「…じゃあ、8月末?で…」と答える。
社長は「20日が会社の締め日だから、8月20日な」
そんな感じで、簡単に、実に簡単に、32年勤めた会社の退職が決まってしまった。
朝、会社に来る車の中では『意見を出し合って、お互いに笑って終われるような一致点を見つけられれば…』と思っていた。
その1時間後、家に帰る同じ車の中で『会社を辞める事になったと、どうナギさん(妻)に切り出そう…』と悩む事になるとは、夢にも思っていなかった。
本当に、人生は何が起きるか分からない。
一寸先は闇だなあ…と思った。
ただその5分後には『…何だかこれも面白いな』と思ってニヤニヤしてしまった。
こうなってしまったものはしょうがない。
この選択が正解だったと思えるよう、全力を尽くそう。
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